コラム

トイレタンク内部品 | ボールタップ

一般的な水洗トイレはタンク内に溜めたお水によってトイレを流します。(タンクレストイレやフラッシュバルブ式トイレは除く)

その働きをするためにトイレタンク内には色々な部品があります。

これらの部品も永遠に使えるわけではなく、概ね10年前後で寿命がきます。

水漏れや動作不良を起こすようになった場合、これらのタンク内部品を交換する必要があります。

そんな時のためにトイレタンク内の部品について見ていきたいと思います。

 

トイレタンク内部品 | ボールタップ

 

以前のコラムでもご紹介しましたが、トイレタンク内部はこんなこんな感じになっています。

 

 

この図の中の③がボールタップです。

ボールタップはタンク外の給水管と繋がっており、主に先端にプラスチックの浮き玉がついています(最近では形状の違うタイプの商品もあります)
浮き玉はタンク内の水面に浮いています。

レバーなどを引くことによって、トイレタンク内のフロートバルブに繋がった鎖が持ち上がりタンクの排水弁が開き、タンク内の水が便器内に流れ出します。

タンク内の水が少なくなると、フロートバルブが排水弁を再び塞ぎ、排水が止まります。

このとき、タンク内の水位とともにボールタップの浮玉も一緒に落ちていきます。

浮玉が下がることにより、ボールタップ内の弁が開いてタンク内に給水が始まります。その後浮玉がもとの水位までくるとボールタップ内の弁が閉じて水を流す前と同じ状態になります。

 

ボールタップの故障が原因で起こる現象

 

ボールタップが故障することで起こると考えられる症状としては次のような事があります。

 
タンクへの給水が止まらない

ボールタップが古くなり正常な動作ができない時や新しいものでも破損がみられる場合などでボールタップ内部の弁が閉じなくなるといつまでもタンクの中に水が流れ続ける事があります。

目に見えてわかるほどの量の水がタンクの手洗部分から流れ続けてすぐに気づく事もあれば、少量の水がタンクの中で流れ続けてトイレの水を流した後にかすかに水が流れる音が聞こえて気づく場合、また水道使用量の検針員さんからの指摘で水漏れに気づく場合など様々ありますがいずれにしても早急な修理や部品交換が必要になります。

 

タンク内に水が入ってこない

 

タンク内の水は減っているのに、新しい水がタンク内に入ってこない場合。

このような場合も、ボールタップの故障が原因の可能性があります。

浮き球に損傷がないか、浮き球を上げ下げして水が出ないかなどをチェックしてみたり、止水栓とボールタップの接続部分を外して、止水栓までは水が来ているかなどを確認します。

給水菅まで水が流れているのにボールタップを付けると水が出ないという場合は新しいボールタップに交換しましょう。

 

あとは私たちが訪問した際に自分でボールタップ本体と浮き球をつなぐ支持棒を手で曲げて応急処置的に調整している方を時々見かけますが、そのように器具を無理やりに曲げるなどの調整をした場合それが原因で支持棒部分が脆くなり折れる場合や、タンク内部へ貯める水の水量が変わり排泄物などを流すのに必要な水の水量に狂いが生じ、それが原因でトイレが詰まるなどほかの故障を起こす場合があります。ですのでそのような事を試す前に不具合がみられた時にはまず相談をしていただければと思います。

 

なお、ここ数年に出た節水タイプのトイレなどトイレタンクの品番によってはボールタップの形状が今回紹介した物と異なる事があります。

商品によっては今までのボールタップにはないダイヤフラムなどを使用している物など多岐にわたります。

その場合はそのタンクに対応した部品を取り寄せての交換など日数がかかる場合がありますので、少しでも不具合を感じる事がありましたら早急に相談していただければ幸いです。

 

最後に豆知識をひとつ。

直接ボールタップとは関係のない話ですが、以前から節水のためにトイレタンク内にビール瓶やペットボトルを入れている方をよく見かけます。

これによって節水できる水量はごくわずかですし、そもそもタンクの水量はセットになっている便器で正常に汚物を流すために必要な水量で設計されています。

無理やり瓶などを沈めて節水するとトイレ詰まりの原因になったり、沈めて瓶がボールタップに干渉して正常な動作の妨げになったりして故障の原因にもなります。

もしこれをお読みの方でトイレタンクに瓶などを沈めている方がいらっしゃれば、すぐに取り除くことをお勧めします。

 

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